2017/11/19

3人のシュトラウス

本番からもう1週間が経ってしまいましたが、コンサートの話の続きです。

今回のメインは、「蝶々夫人」など有名なオペラの中からの名曲でした。
ゲストにテナーの歌手をお呼びし、私たちはその伴奏です♪
歌のほうは感情に合わせてテンポが揺れるので、「あうんの呼吸」で合わせなくてはいけません。

ステージ上では「自己中」お断りですよ~ みんな全身を耳にして、真剣勝負!
指揮者が一番大変だっただろうな。。。
リハーサルは弦楽器だけで2回、オケ全体が2回、歌手と合わせたのが2回だけでした。

ヨーロッパでも活躍しているテナー歌手の J. Warren Mitchell さんと私たちの共演の様子は、ローカルのテレビ番組でもちらっと紹介されたので、貼り付けておきますね。


朗々とした素晴らしい歌声に、スタンディングオベーションを何度もいただきました。


今回は、J. Warren さんのイチオシだったらしい、リヒャルト・シュトラウス Richard Strauss の歌曲も3曲混ざっていました。
ドイツ語なので歌詞の意味はよくわかりませんが、激しい恋の歌のようです。

この3曲の楽譜は、わざわざヨーロッパから取り寄せなければならなかったとのこと。
1~2ページなのに、ちゃんと表紙がついた立派な楽譜でした。
汚したり折ったり書き込みを入れたりしないよう、皆さん宝物のように扱いましたよ。
楽譜には音楽が宿っているので、いつも大切にしていますけれどね。

私にとっては、リヒャルト・シュトラウスと聞いて最初に頭に浮かぶのは、映画「2001年宇宙の旅」の冒頭で重々しく流れた「ツァラトゥストラはかく語りき」です。
この映画、月に向かうシーンでは、ヨハン・シュトラウス2世「美しく青きドナウ」の軽やかなワルツが印象的でした。

同じシュトラウスという姓でも、親戚関係ではないとのこと。
ドイツ語圏ではよくある姓なのかしら?

「ワルツ王」と最初に呼ばれたのはヨハン・シュトラウス1世 Johann Strauss I でしたが、彼の音楽で現在一番親しまれているのは、ワルツではなくニューイヤーズコンサートで演奏される「ラデツキー行進曲」かもね~

彼の息子のヨハン・シュトラウス2世 Johann Strauss II も、音楽家としての血をしっかり受けついでいたのが明らかでした。
それでも、父は息子が音楽の道に進むことを反対し、妨害さえしたとのこと。
息子に負けてしまうことが、嫌だったのでしょうか。

結局、後には息子のほうがお父さんを超える売れっ子の音楽家になり、現在ではただ「ヨハン・シュトラウス」と言うと2世のことを指します。


「ワルツ王」の名も息子に奪われてしまったので、1世は「ワルツの父」となりましたとさ。

私たちも、2世作曲の「こうもり」「酒・女・歌」をコンサートで演奏しました。
「こうもり」はノリがよくて楽しい曲ですけれど、出だしの速い部分などが結構難しかったな・・・

2泊目がほんの少し前のめりになる感じのウインナ・ワルツにもチャレンジ!
これは日本人には難しいリズムですが、アメリカ人にとってもハードルが高いようで、ちょっと安心しました(笑)


「酒・女・歌」は、日本語にしてしまうと河島英五さんの「酒と泪と男と女」を連想させるタイトルですね(笑)
グラス1杯のワインと共に演奏したい感じの、おしゃれな曲なのですが・・・

合唱付きの歌詞は、マルティン・ルターの格言「ワインと女と歌を愛さないとは、なんと愚かな人生だろうか」を元にしているのですって!
ルター様、良いことをおっしゃる!!

私たちが演奏したのはオーケストラ版ですが、下の動画のような雰囲気でできたら素敵だな♪


たくさんの演奏曲目で、楽譜を並べ替えるのが忙しいコンサートでした・・・
実は私にとって、ヨハン・シュトラウスの曲はあまり進んで聴きたいタイプではないのですが、今回のコンサートで、以前より好きになったのが収穫です。


★11月12日のコンサートのプログラム★

     "Che gelida manina" from La Boheme (Giacomo Puccini)
     "E lucevan le stelle" from Tosca (Puccini)
     "Addio fiorito asil" from Madama Butterfly (Puccini)
     "Humming Chorus" from Madama Butterfly (Puccini)
     "E la solita storia del pastore" from L'Arlesiana (Francesco Cilea)
     L'Arlésienne Suite No. 2 (Georges Bizet)
       1. Pastorale
       2. Intermezzo
       3. Menuet
       4. Ferandole
     Agnus Dei from L'Arlésienne Suite No. 2 (Bizet) 
  
        INTERMISSION

     Fledermaus Overture (Johann Strauss, Jr.)
     Three Strauss Lieder (Richard Strauss)
       Zueignung, Op. 10, No. 1
       Ich liebe dich, Op. 37, No. 2
       Allerseelen, Op. 10, No. 8
     Wine, Women and Song (Johann Strauss, Jr.)
     Serenade from The Student Prince (Sigmund Romberg)
     "Dien ist mein ganzes Herz" from Das Land des Lacächelns (Franz Lehár)


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